2022年08月29日

No.02.公認心理師 臨床心理士 瀬名波耕二さんインタビュー

友愛医療センターには公認心理師・臨床心理士が在籍しており、患者さんの診療のほか、職員のメンタルヘルスサポートも行っており、初期や専攻医などの研修医サポートも担っています。

初期研修医や専攻医サポートの活動内容を教えてください。

当院には、初期研修医をサポートする「チューター委員会」、専攻医をサポートする「専攻医メンタルサポートミーティング」が存在し、研修医担当産業医や診療部支援課、心理相談室等が連携して、初期研修医から専攻医までが一貫して安全に働けるよう  サポート体制を整備しています。心理相談室では、ストレススクリーニングや研修医面談を行ってメンタル面のサポートを担当しています。

初期研修医や専攻医との関わりで印象に残っていることは?

研修医面談内では当院を研修先に選ばれた理由をよくお尋ねしていますが、それに対して「実習で優しい先生やコメディカルが多かった」、「見学時に教育熱心な先生が多かった」といった回答がよく聞かれます。そこで、<実際に入職されてどうですか?>と 質問を重ねますが、「実習/見学時とのギャップは感じない」との一様の回答があります。また、入職後に惹きつけられる先輩医師を追ってご自身も同じ診療科へ進んでいかれる専攻医もいらっしゃいます。そういった様を見聞きしていると、診療科そのものの魅力だけではなく、そこで働く人の魅力も医師の進路決定には重大な影響を及ぼしているものと拝察しています。

新しい環境に慣れない方へのアドバイスをお願いします。

新しい環境に不慣れな状況ではパフォーマンスが振るわず、ミスやトラブルも多いために注意・指導が入り、自分を責めてしまう考えや今後の不安が頭の中を占有してしまいます。そうなると、ネガティブな感情状態が持続し、心身は相関しているので体調不良を招き、さらにパフォーマンスを低下させる悪循環が形成されることが多くあります。環境に適応する過程では、上記の悪循環に自身がはまっていないかを都度確認し、自身を労ったり褒めたりする自己への思いやりをもつ、気軽に話せる/相談できる人を探す、没頭できる楽しみをもつ、必要時にはコンディショニングのための休養を積極的にとる等が大切だと思います。